集約すると次のようになろう。第1は、土地そのものが私有制に基礎をおいているために、供給(可能)量が過剰でもなぜか値下がりしない構造になっていること。第2は土地、住宅の需要者の賃金水準が土地価格などに対して絶対的に低く、土地、住宅購入のための支出が相対的に小さいこと。第3は資本=企業の生産手段としての土地政策はあっても、庶民の生活要素としての宅地供給政策がほとんどなかった。この間隙をぬって投機が横行することなどである。
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土地問題、住宅問題は解決のメドを見出せないままどこへいこうとしているのか。土地問題は決して住宅問題だけに止まるものではない。奔騰を続ける地価メカニズムと、土地問題から放射される社会問題の展開の中で、日本資本主義の社会的基礎が微妙に変勤しはじめた。土地問題は資本主義制度の根幹に位置づけられている土地の私的所有の性格にも大きい影響を及ぼしつつある。資本主義の発展は土地(地主)、資本(ブルジョアジー)、労働(労働者)の3者関係の中で、土地所有を含めたあらゆる意味においてブルジョアジーの優位を確定づけた。地主(小農)の分解は微増する耕作(土地)放棄にみられるようにおどろくべき加速度で進行している。特定階級への土地集中は、そのまま土地と人間の狂った関係の成立基盤であり、また土地所有をめぐる変動期は、いつの時代でも社会の変動と密着していることを歴史は教えている。現実の・土地問題はこの意味でも大きな社会問題なのである。この社会問題の発展の方向は、果して土地と人間の狂った関係を是正する方向なのか。あるいはその逆なのか。まず、生産、生活要素としての土地の所有形態を社会制度と関連づけながら、土地と人間の歴史的なかかわり合いをみていくことにしよう。
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