どの国でも土地対策の中で、税制の占める比重は小さくありません。これまでは土地税制は補完的な役割とみられがちでしたが、現在は主役のひとつになってきています。そしてその焦点は土地の保有に対する課税です。いくつかの先進諸国でとられている現行の土地税制について、簡単に見ていくことにします。
〈アメリカ〉
州や地方自治体によって事情が異なるのでひとまとめにはできませんが、ニューヨーク市の場合には、固定資産保有税は、対象が4段階に分かれており、税率も異なります。
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住宅のような非収益資産は低く、商業・工業施設などの収益資産はやや高く、全体として9%程度です。実効税率は2〜3%のようです。国税レベルでは課税はありません。キャピタルゲインは他の所得と合算して課税され、個人は最高税率28%、法人は同34%です。
〈イギリス〉
この国では従来、地方税として住宅、土地などの保有に対して課税されていました(ただし保有に対してだけで、未利用の不動産に対しては課税されません)。これをレイトと呼んでいます。しかし、1990年4月から居住用の不動産に対するレイトは廃止され、オフィス、工場など非居住用不動産に対するレイトは国税になりました。キャピタルゲインは他の所得と合算して、所得税の上積み税率で課税されます。住宅と1エーカー(約4050平方メートル)以下のその敷地の譲渡は非課税です。
〈旧西ドイツ〉
すべての資産について課税上の評価額(統一価格)を決め、州レベルの個人の資産保有税は統一価格の0.5%、法人は0.6%です。地方自治体では不動産税があり、統一価格の一定割合を課税標準としています。キャピタルゲインは個人は原則非課税ですが、事業用資産の譲渡益や投機取引の場合は他の所得と合算して課税されます。
〈フランス〉
事業用を除いた土地資産の保有に対して、国税として富裕税がかかります。地方税としては不動産の賃貸価値を課税標準とする不動産税があります。キャピタルゲインは個人、法人ともに保有期間2年以下の短期譲渡と、同2年超の長期譲渡に分けて課税されます。
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