1960年前後岩戸景気の真っ只中でした。日本経済の高度成長がスタートした時期です。それまでの産業が繊維、雑貨などの軽工業が中心だったのに対して、鉄鋼、石油化学、石油精製などの重化学工業の育成が図られ、その拠点として臨海部を埋め立てたり、内陸部に水路を掘り込んだりして臨海コンビナートが全国に続々と建設されました。これを政策面で支援したのが、1960年に発足した池田内閣の打ち出した、有名な「所得倍増計画」です。
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工業化を推し進めて高度成長を目指す政策である以上、日本列島の土地需要も高まるわけで、61年には全国市街地のうちの工業地の価格は50%強も値上がりしました。六大都市(東京都区部と横浜、名古屋、京都、大阪、神戸)に限ると上昇はもっと激しく、工業地は88.7%、住宅地でも60.1%、商業地は61.9%もの上昇となりました。経済成長率が実質で平均約10%という60年代の高度成長期は、同時に大都市への人口集中、特に東京への集中を加速し始めた時期でもあります。その中で工業地や商業地だけでなく、一般庶民の住宅地も含めて、土地は値上がりするもの、という神話はこの時期に形成されたといってよいでしょう。
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