「多重債務者」と「住宅ローンの支払に行き詰まった債務者」を明確に区別しています。この「多重債務」という言葉について、みなさんはどのような印象をお持ちでしょうか。言葉のニュアンスを素直に考えれば、借金している先が銀行だろうと、クレジット会社だろうと、消費者金融会社だろうと、とにかく複数の借入先から借り入れていることで返済が滞ってしまい、にっちもさっちもいかなくなった状態のことを思い浮かべるのが普通でしょう。ところが2006年末に成立した改正貸金業法では、附則第66条において多重債務を「貸金業を営む者による貸付けに起因して、多数の資金需要者等が重畳的又は累積的な債務を負うことにより、その営む社会的経済的生活に著しい支障が生じている状況をめぐる国民生活上及び国民経済の運営上の諸問題」と定義しています。これだけ社会問題化している多重債務問題が「貸金業を営む者による貸付けに起因する」債務に限定されているのです。住宅ローンは通常、銀行からの借入ですが、こちらはまったく問題にされていないようなのです。つまり、払いきれなくなった住宅ローンの返済に充てるために消費者金融などのカードローンに手を出して破綻した場合でも、多重債務問題の原因は住宅ローンにはなく、カードローンだけにあることになってしまいます。
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