街並みの形成に関して、日本の都市計画は積極的な姿勢に欠けている。しかし一方で都市施設の建設整備に関しては、たくさんの「都市計画決定」が行なわれています。ところが計画決定済みの都市施設のなかには、何年、何十年経っても建設されないものが数多くあるのです。何十年経っても建設されない都市施設、実現しない都市計画では、そもそも計画がないのと同じです。いや実際には、このような計画はないよりも、もっと性質か悪いのです。長い間店晒しにされた都市計画として有名な例は、東京の環状二号線(以下「環二」)の一部、通称「マッカーサー道路」です。「環二」は終戦直後の1946年に、皇居の周りを巡る2番目の環状道路として、延長約9.2キロメートルの都市計画決定か行なわれました。現在の「外堀通り」にほぼ重なりますが、虎ノ門の特許庁前から東側では、「環二」の計画路線は外側に外れています。環二の計画路線は、現在の外堀通りの300メートルくらい南側を並行して通り、新橋付近で第一京浜国道につながることになっていました。しかしこの部分の用地買収は、都市計画決定後もほとんど進みませんでした。この虎ノ門、新橋間の1.4キロメートルの部分が、長い間未開通のまま放置されてきたのです。当初計画の「環二」は、北東と南東でそれぞれ昭和通りとその延長の第二京浜につながり、「環状」になる計画でした。ところが「外堀通り」は、今の東京駅八重洲口前を通って少し内側で「環状」になってしまいました。「虎ノ門のアメリカ大使館から、竹芝桟橋に真直ぐ道路を通せ」といったマッカーサー(都のホームページでも、「俗説」として紹介されています)も、アメリカに帰ってしまいました。放置された区間は、新橋の繁華街から1歩入っただけのところで、異様に階高の低い建物が並んだ空間として有名になりました。というのも、1度道路用地として都市計画決定がなされると、3階建て以上の建物や鉄筋コンクリートの堅固な建物は、建築許可か下りなくなるからです。週刊誌などでも、時々思い出したように取り上げられてきましたが、このような状態で、1980年代末まで放ったらかしにされてきたのです。
[参考]
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